遠く儚い道 〈出来ない…〉 [■Recital]
shimokita
AYAKO先生の言葉が突き刺さってくる…
「いい声を出しているとでも思っているんじゃないのっ!?」
「そんな歌い方じゃ気持ち悪いのよっ!!」
「それは『のど声』だよね…!?」
「音程悪いことわからないのっ!?」
「冗談じゃないっ!!!」
* * * * * *
さて…
リサイタル時のプログラムは
新しく勉強する曲は無かったの~~
(POPSの「恋人よ」と「水色のワルツ」を除いて)
何十年も前にLESSONして頂いた曲を
記憶を頼りに
あるいは楽譜の書き込みを
参考にしながら
(とは言っても…身体が覚えているのだけれど…)
AYAKO先生に見ていただくわ…
その日から「リサイタル仕様」の
Lessonは2コマを入れていただいたの~~
1コマでおおよそ90分ほどなので
3時間程度のLessonになったわ
(レッスン料に関しては遠く儚い道 Lesson編を
ごらんください)
それを週1…
リサイタル当日が近くなったら
週3も通ったわ
歌のほうは先月までで一応の曲数は
出して見ていただいたの…
「水色のワルツ」や「恋人よ」も
先生にとっては多分
「邪道」でしょうけど
他のアリアと変わることなく
ご指導くださって…
ただ~し…
曲を決める段階では
(いつもそうなんだけど)
発声に集中できなくて…
先生をイライラさせるみたいで…
この時期の先生の発言が
すっごいの~~っ!!
わたしが
先生のおっしゃることが
出来なくて…
先生も焦ってらっしゃるんだと
思う……。
久しぶりの
「冗談じゃないっ!!」も出たし…
「なんでそんな声を
平気で出せるのっ!!」
「絶叫しないでぇ」
「なんで地声を出すのよっ!!」
「ぜんぜんわかってないっ」
叱られているうちに
涙が出て来ちゃって…
余計に歌えなくなっちゃって…
だって…
だって
出来ないんだよ
なんだろうか
どうしたらいいのかな
作曲家の意図することも
曲の理解も
発声さえもうまくいかないの
何もかも
ぜんぜんうまくいかない…
先生の言葉が突き刺さってくるわ
「いい声を出しているとでも
思っているんじゃないのっ!?」
「そんな歌い方じゃ気持ち悪いのよっ!!」
「それは『のど声』だよね…!?」
「音程悪いことわからないのっ!?」
「冗談じゃないっ!!!」
どうしたら
いいのかな!?
だって…
できないんだよっ!!!
リサイタルは
日に日に近づいてきているのに…
レッスンを終えて
涙が渇くまでもなく
下北の街をひとりとぼとぼと
歩いて行く
ふと…見た…ショーウィンドウには
泣きはらした目で
がっくりと肩を落とし
もつれる脚で歩いている
惨めな
中年女が
写っていた…
Shimokitazawa/