蕎麦の花

　
　
　

Hiroshima Peace Memorial Ceremony / yamataka

　　　　　　　　　　　　　　　　

あの山辺に蕎麦の花は

毎年咲いているだろうか

遠いとおいあの日

遠いとおいあの日

　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（堀内 幸枝　詩）

* * * * * *

　「山辺の花に寄せて」より『蕎麦の花』
　　(作曲: 小林秀雄 作詞: 堀内幸枝)

　　遠いとおいあの日
　　少年と肩よせて通った畦道に
　　白く咲いてた蕎麦の花
　　少年のやさしい眉と
　　黒黒とした私の髪をなびかせて
　　純潔をちかった蕎麦の花よ

　　あの山辺に蕎麦の花は
　　毎年咲いているだろうか
　　遠いとおいあの日
　　遠いとおいあの日

Buckwheat Flowers / 蕎麦畑(そばばたけ) /

TANAKA Juuyoh (田中十洋)

　あれから長い戦があり
　戦いがすんだら　すんだらと
　思っていた

　二人で蕎麦の花を
　見に行こうと思っていた

　私の夢はいつか
　時の迷い子となって……

End of the Pacific War Day. / MIKI

Yoshihito. (#mikiyoshihito)

　　ああゝ夏がきたらきたら行こう
　　蕎麦の花の咲くころ
　　汽車に乗って

　　遠いお山の向こうへ行こう
　　遠いお山の向こうへ行こう
　　ああゝ少女の日に流した涙のような
　　白い蕎麦の花を見に行こう

Fagopyrum cymosum (Trevir.) Meisn. / /span>

Dinesh Valke

・・・・・・・・・・・・・・・・・

　　さて…少し時間をさかのぼってみると
　　リサイタルのすぐあとの綾芽会に
　　これを歌った気がするの～



　　このころ…
　 「曼珠沙華」（曼珠沙華＜ひがんばな＞）
　　に続いて
　 「お六娘」（『お六娘』）をやって…
　　その後に
　　この「蕎麦の花」を歌ったわ。
Lantern / mrhayata


　　それまでは
　 「曼珠沙華（ひがんばな）」ほど
　　悲しい歌は無いなって
　　思っていたんだけど…

Scary Japanese doll / veroyam

　　この「蕎麦の花」ときたら…
　　レッスン中にも涙が出てしまう

　　AYAKO先生も
　 「泣きたくなるわよね!?」って


　　とくに
　 「少年のやさしい眉と
　　黒黒とした私の髪をなびかせて
　　純潔をちかった蕎麦の花よ」
　　のところ…

　　こうして読むだけでも
　　涙が出てくるの

Japanese soldier posing in front

of a flag / simpleinsomnia

　　遠いとおいあの日に
　 「純潔を誓った」あの方と
　　戦争によって引き裂かれて…

　　けど…いつかいつの日か
　 「二人で蕎麦の花を見に行こうと
　　思っていた」のに

　　私の夢はいつか
　　時の迷い子となって……

A Japanese soldier posts Proclamation

No. 1 declaring martial law -- in English,

French and Vietnamese -- September 1945 / manhhai

　　いっぽう…曲のほうはと言うと
　　途中「あれから長い戦があり」の部分に
　 「parlando」って書いてあって
　　ここは少し語るようにするんだけど

　　ここから激情するっ


　　その部分が終わると
　　伴奏も長調になって
　 「夏が来たら汽車に乗って行こう」って
　　少し楽し気なんだけど…


　　ちっとも楽しくない

　　だって…
　　白い蕎麦の花は
　 「少女の日に流した涙のよう」
　　なんですもの…

20121227 Kyoto Umekouji 2 /

BONGURI

　　ここで…YouTubeをご覧になってね


　　お借りしてきて…なんだけど
　　あたしがAYAKO先生に習った歌い方と
　　全然ちがう…。
　　日本歌曲のお約束も出来てないし…

蕎麦畑 / kayakaya

　　　蕎麦の花 　堀内幸枝作詞・小林秀雄作曲　「山辺の花に寄せて」より
　　　






　　　蕎麦の花
　　　














　　　　　　　　　　　　　　　　　

「私の夢はいつか

　　　　　　　　　　　　　　　　　　

時の迷い子となって……」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

それでも…

あたしは歌うわ

泣きながら

歌うの

　　　　　　　　　　　　　　　　　　

「蕎麦の花」を…

A Coast Guardsman stands in silent reverence beside the resting place of a comrade., 1944 / The U.S. National Archives