踊りの世界<内弟子> [■習い事]
今年より 千たび迎ふる春ごとに
なおも深めに 松の緑か禿の名ある
二葉の色に 大夫の風の吹き通ふ
松の位の外八文字 派手を見せたる蹴出し褄
よう似た松の根上がりも
一つ囲ひの籬にもるる
廓は根引きの別世界
世々の誠と裏表 比べごしなる筒井筒
振分け髪もいつしかに 老いとなるまで末広を
開き初めたる 名こそ祝せめ
* * * * * *
上記は長唄の「松の緑」よ~~
内容は…(杵屋勝壽さまによる)
将来は廓の禿が「松の位の大夫」になるように
立派に成長するようにと祈ったお祝いの曲です。
ここでは、廓の話を持ってきていますが、
当時はこうした例えというものが
歓迎されたようで、
曲そのものは艶っぽい中身となっています。
何故…今…
「松の緑」かと言うと
実はこの曲…
坂東流の名取の試験の
課題曲なの…。
(のちの「踊りの世界<名取>」にて
くわしくお話するわ~)
「松の緑」はさておいて…
今日は久しぶりに
日舞のことを書こうと思うの…
前にも日舞関連のフザけた記事を
いくつか書いていて…
獰猛なる演目・枯れたくて…・描かれちゃって…。
日舞ってね…
日舞って…
特殊な世界なの~~
「春興鏡獅子」の弥生
踊りの世界っていわゆる
「家元制度」で出来ているでしょう!?
そのタテの構造がすごいのよ~~っ
あたしは3歳から坂東流の
「坂東A子」先生に習い始めたんだけれど…
昔のことだから(今も…かな!?)
A子先生はB子先生のお弟子だし
B子先生はC子先生のお弟子で…
その上の上に「三津五郎」がいるの…。
それでも他の流派よりは
うちの先生は家元に近くて……
そのA子先生の話なんだけど
A子先生は高校を卒業と同時に
踊りを教え始めたわ
年に1度の「浴衣ざらい」と
2年に1度の「大ざらい」と言う
お弟子の発表会があって
その度にA子先生は師匠である
B子先生にお弟子を見てもらうの~~
ちなみに先生方(女性)は
全員独身でらして…
それと言うのも…
昔は「内弟子」みたいな
制度があったらしくて…
(うちのA子先生はそうではなかったんだけれど)
内弟子って…
もちろん師匠のお宅に住み込んで
踊りのお稽古はつけてもらうんだけど
女中のように下働きを
させられるんですって!!!
あたしね…。
3つから日舞を習ったけど…
この話は大人になってから
先生から聞かされて…
ちょっと…ショックを
受けちゃって…。
いまどき…
そんなことって
あっていいのかしら!?
で…その「大ざらい」の時のA子先生を
B子先生が叱り飛ばすのよっ!!
あたしたちがちょっとでも
間違おうもんなら
「じろじろっ!!!」って
A子先生を見ちゃって大変っ
普通の演目でも
そうなんですもの…
名取の試験のときは
なお一層なの~~
その…怖いことったら
無かったわ~~
(次回に続く…)