『お六娘』 [■CLASSIC<歌曲>]
Lantern / mrhayata
ねぇ…
さっきから
お家の外でとってもうるさいの~~っ
あれは…
うふふふ
村の若者たちね!?
そうそう…
今日は村の鎮守祭りだったわね~
どうやら
口笛やら石つぶてで
あたくしをお誘いでらして!?
ふふぅ
あたくしは
そんなお誘いには乗らなくってよ♪
ほら…
お月さまも笑ってらっしゃるわ~~
あたくし…!?
お六と申します。
お月様
* * * * * *
四家文子先生の愛弟子
AYAKO先生の
十八番でらしたと言われている
この「お六娘」は
意外に…
日本歌曲を演る者には
憧れの曲なの~~
DSC_2555 / hetgallery
意外って言ったのは
……
シリアスな感じじゃなくて
かえって
ユーモラスな曲だからよ~っ
月讀神社 / Mixtribe Photo
ここに藤井宏行氏の解説があったので
ご紹介しておくわ~
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橋本国彦にはたくさんの日本民謡風の歌曲がありますが、
その中でも最高の傑作がこれではないでしょうか。
童謡や唱歌の作詞で知られた林柳 波(1892-1974)のユ
ーモラスな詩も面白いですし、そこに才人・橋本 の付けた
メロディと伴奏の素晴らしいこと。
日本民謡風と書きましたが じっくり聴くと他のどこでも聴
くことのできない橋本国彦オリジナルの世界が広がってい
ます。
「お六娘は 丸顔でござる 花のさかりの は たちでござる」
と詩のすべてを「ござる」で飾っている詞に付けたメロ デ
ィの表情をくるくる変えて、このきれいな娘を
ナンパしようとあの手 この手で頑張る村の若者
たちの姿を微笑ましくも描写しています。
ピアノに繰り返し現れるおどけたモティーフな
ども絶妙で、最後はやっぱり 駄目でガッカリ、
というところの音楽など最高。(後略)
( 2007.01.01 藤井宏行)』
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さっそくお聴きになってみてね
(↓申し訳ないんだけど…音程ないみたいな歌!?)
山本掌『お六娘』
■お六娘 OROKUMUSUME / 橋本國彦
『お六娘』詩: 林 柳波
お六娘は丸顔ござる
花も盛りの二十歳でござる
九月九日月の夜ござる
月が隠れてうす闇ござる
村の若者集まりござる
鎮守祭りのくずれでござる
なにかひそひそ話してござる
虫の鳴く音がじゃましてござる
お六娘は座敷でござる
島田高髷かげぼうしござる
村の若者呼び出しござる
つぶて、口笛、さまざまござる
お六娘は品良くござる
笛もつぶてもきかぬでござる
村の若者しおれてござる
月が出てきて笑ってござる
ラベルの影響を受けたらしい
橋本國彦の作品「お六娘」は
前奏に義太夫を取り入れている
とも言われているわ~~
歌詞の全フレーズの語尾に
「ござる」って
入っているでしょ!?
夏祭り / haru012
そもそもそれも面白いんだけど
こんな表現…今はしないし…
当初は戸惑ったものよ~
でもでも…
とってもユーモラスで楽しいの~~
お六が村の若者を
相手にしないものだから
しょんぼりするところも
痛快じゃない!?
ちょっとした「和」の仕草を
取り入れてみたりして
毅然としたお六を演じるの~~っ
夏祭り Summer Festival / Yuya Sekiguchi
お六自身は二十歳の娘なんだけど
この歌だけは…
二十歳やそこらじゃ歌えないねっ
むふふ
……
ふっふっふふふ
お~っほっほっほ
あれっ!?