Adriana Lecouvreur [■CLASSIC<Opera Aria>]
Sixteen Years / jeff_golden
私は…
単なる道具にすぎませんの…。
詩の調べ、人間の葛藤のこだまや
書き手の操るままになる、弱々しい道具にすぎません。
優雅にも柔和にも快活にも残忍にも
私は忠実なる者。
私の声ははかない吐息…そして風のそよぎ
暁には消えていきましょう。
* * * * * *
さぁ…今日は
歌劇『アドリアーナ・
ルクヴルール』から
「lo son l'umile ancella 」を
ご紹介するわね!
Château de Vaux le Vicomte -
01-09-2006 - 16h05 / Panoramas
この「lo son l'umile ancella 」は
『アドリアーナ・ルクヴルール』の
第一幕で
女優のアドリアーナによって歌われる
超素敵で…超ドラマティックで
超有名なアリアなの~
声楽を勉強する者には
これも憧れのアリアのひとつで…
あたしは大学3年生ぐらいでやったかしら!?
とくに最後のpianissimoで出す
「che al novo dì morrà」の
ところが大好きで…
大得意っ
歌っていても
ぞくぞくってなるの~~っ
Libro de los Hechos de los Apstoles
2,1-11. Obra Padre Cotallo HDR2 /
Cotallo-nonocot
ただ…なんとなく…
なんとなく…
発表会では歌いたくなかったの…
何故って…
プログラムに活字になるでしょう!?
その時に…
なんとなく…
嫌だったの……。
Image from page 322 of "Harper's
young people" (1879) / Internet
Archive Book Images
だって…
そのタイトルが…
昔はこう言っていたの
「私は卑しい下僕です」
って!!!
Sholeh - kajira of GOR /
Samira Talurian
サイトでも「おかしい」って
言ってらっしゃる方もいらして…
「私は卑しい芸術家の下僕です」
「私は卑しい神の僕です」
「私は創造の神の卑しい下僕」
「私は創造主の卑しい召使です」
「私は芸術のつましいしもべ」
「私は創造の神に仕える卑しいしもべ」
『なんちゅー訳やねん。』って
おっしゃる~~っ(きゃはは~)
調べてみるとタイトルの
「lo son l'umile ancella 」の
umileが『卑しい』って訳されて
ancellaが
『奉仕者 奴隷 家来 小間使
従者 雇い人 雇人』
って意味らしいの~
なんだけど…
そこは台詞の前後で分かってくるわ~
舞台の支度をする第1場、第2場に続いて
第3場で 女優のアドリアーナが登場して…
皇太子やら僧院長が
「素晴らしい!」「偉大だ!」
「ミューズよ!」「ディーヴァよ!」
「シレーナっ!!」
って讃えるのっ
そこでアドリアーナが
「それほどでもなくってよ…
私なんて芸術家のしもべなの~」
って
このAriaを歌うの~~っ!!
うふふふ~~
そうだったのね!?
Simplicity / David Holmes2
ここで背景を見てみよう(Wikipediaより)
『アドリアーナ・ルクヴルール』
(Adriana Lecouvreur )
は、フランチェスコ・チレアの作曲した全4幕の
オペラである。
18世紀前半にパリで活躍した実在の女優アドリ
エンヌ・ルクヴルールの生涯を描いたこの作品
は1902年にミラノで初演され大成功を収めた。
今日でも「新イタリア楽派」オペラの佳作のひ
とつとしてチレアのオペラ作品中もっとも頻繁
に上演される作品となっている。
原語曲名: Adriana Lecouvreur
原作: ウジェーヌ・スクリーブとガブリエル・
ルグーヴェによる戯曲『アドリエンヌ・ルクヴ
ルール』Adrienne Lecouvreur (1849年)
台本: アルトゥーロ・コラ
ウッティ
演奏時間: 約2時間20分
初演: 1902年11月6日、ミ
ラノ・リリコ劇場にて、ク
レオフォンテ・カンパニー
ニの指揮による
あらすじ
18世紀ルイ14世時代のパリ社交界を舞台に、コメ
ディ・フランセーズの実在のスター女優アドリエンヌ
・ルクヴルールをヒロインにした、豪華絢爛名オペラ。
美男な伯爵をめぐる、二人の女性の熾烈な恋の鞘当が、
壮絶なまでに描かれる。
芸術のパトロンを自認する公爵夫妻、夫の方は女優を
愛人にしており、妻の方は若い伯爵(マウリツィオ)
と不倫中、その若い伯爵(マウリツィオ)は別の女優
(アドリエンヌ・ルクヴルール)と恋仲という随分と
複雑な人間関係で幕が開く。
ダンス最後は病気療養中のアドリアーナのもとに、か
って彼女が恋人のマウリツィオに贈った菫の花束が届
く。それは実は、マウリツィオから花を譲り受けたブ
イヨン公爵夫人が、恋敵の屈辱をはらすために、毒を
仕込んで、マウリツィオからと偽って届けさせたもの
だった。小箱の贈り物を開けたアドリアーナは、悪寒
に襲われ倒れそうになる。呼び戻されたマウリツィオ
の結婚しようというひたむきな態度にアドリアーナは
心を揺さぶられる。その後痙攣し錯乱状態になって、
ブイヨン公爵夫人が嫉妬と復習のために仕込んだ毒に
冒されてアドリアーナは朦朧とした意識の中で息絶える。
歌詞もご覧になってね♪
「私は神の下僕」 Io son l’umile ancella
lo son l'umile ancella
del Genio creator:
lei m'offre la favella,
io la diffondo ai cor ...
Del verso io son l'accento,
l'eco del dramma uman,
il fragile strumento
vassallo della man ...
Mite, gioconda, atroce,
mi chiamo Fedeltà:
un soffio è la mia voce,
che al novo dì morrà ...
growing /
Rosmarie Voegtli
(とても謙虚に)
過分な 紳士様方...過分のお言葉!
ほら 少し息をついただけですわ....
(あっさりと)
私はつつましいしもべです
天の創造主の
私に言葉の力を授けて下さいました
私はそれを皆の心に伝えます...
私は詩の抑揚でしかなく
人間ドラマのこだまでしかなく
壊れやすい楽器でしかありませんわ
人の手で奏でる...
穏やかで 陽気で 残酷な
私は「忠実」と呼ばれます
私の声は ただの吐息です
その日のうちに死んでしまう...
flowers, ultraviolet / brx0
■ ■ ■
Io son l'umile ancella - Anna Netrebko (subs: EN, HR)
Maria Callas - Ecco: respiro appena...Io son l'umile ancella
⇓こちらがMagda Olivero
「珍しく若いうちからアドリアーナ役を得意とした
ソプラノ、マグダ・オリヴェーロ(1910年 - )。
彼女は1932年からアドリアーナを歌い始め70歳を
過ぎるまでこの役を演じて好評だった。作曲者チ
レア自身もオリヴェーロを「理想のアドリアーナ」
と評している。1959年のナポリ・サン・カルロ劇
場でのマリオ・ロッシ指揮のライブ録音は今日でも
決定版との声もある。(Wikipediaより)」
Magda Olivero "Io son l`umile ancella" Adriana Lecouvreur 1963