『斑猫』 [■CLASSIC<歌曲>]
斑猫ってね…
猫じゃないの~~っ
虫なの。
毒を持つ虫なのよ…。
*********
明治21年(1888年)兵庫県に生まれた
深尾須磨子…
その作品のひとつが「斑猫」なの~
この詩は
『男を手玉に取るように
自由奔放に生きる
美しい女のイメージで描いている』
と評されるように
斑猫って言う「虫」を
女性に例えている詩…
『斑猫』
斑猫です
南の国の夏のさかりに
甘え ふざけ こびる斑猫です
色の主題はとりあつめた焦点の黄色で
とり合わされるのが濃青と臙脂と
そして紫です
斑猫です
誘っては逃げ 誘っては逃げ
たくみに身をかわし 身をそらし
捕えようとする手の尺ばかりを
つねに先がけ
つねにあとしざり
斑猫です
花よりもきれいな
宝石よりも美しい
そのくせ捕え手に死を与える恐しい
しかしただ一匹の昆虫です
うまくつかまえて
襟飾りにでもしてください
どぉお~!?
素敵でしょ!?
さて…
そこに曲をつけたのが橋本国彦だったのね!?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[橋本国彦]
1904年9月14日 - 1949年5月6日没
東京都本郷生まれ。
東京音楽学校(現・東京芸術大学)卒
文部省の命により1934年(昭和9年)から1937年
(昭和12年)の間、ウィーンに留学ハーバ、クルシ
ェネック、シェーンベルクらに師事しドイツの現
代音楽の動向に接すると同時に、近代フランス音
楽の影響も受け、37年に帰国したのちはモダニズ
ムの作曲家として活躍した。
1949年、胃癌のため44歳で鎌倉にて逝去。
東京音楽学校(現・東京芸術大学)でヴァイオリ
ンと指揮法を学び、作曲はほとんど独学だった(
当時は東京音楽学校には作曲科がなかったため)。
研究科であらためて作曲を学ぶ。当時、音楽学校
で音楽を学んでいた者が少なかったため、橋本国
彦のまわりには一種のサロン的なものがあり、人
望も厚かったようである。その中に『斑猫』の詩
人、パリでも学んだ深尾須磨子、歌手の荻野綾子
(大田綾子)や四家文子、徳山璉などがいた。
作品には交響曲、協奏曲、ピアノ曲などがあるが、
とくに歌曲に優れ、深尾須磨子の『黴(かび)』、
『斑猫(はんみょう)』、西条八十の『お菓子と娘
』(いずれも1928)など散文的自由詩歌曲の創作
によって、現代歌曲の新しいスタイルを打ち立て
たまた、フランス印象派の作風と日本古来の音楽
モチーフと絶妙な融合をはかった数々の作品は、
独特の魅力にあふれ、歌曲だけではな
く、管弦楽曲においても多くの名曲を
世に送り出している。戦後の逆境の中、
自らの才能を新しい時代に活かして行
きたいと願いながらも病により若くし
てこの世を去った天才的作曲家と言わ
れている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いよいよこの斑猫についてなんだけど…
橋本邦彦はフランス印象派の
作風を継承して
言葉のアクセントに合わせて
歌うようにしゃべること(デクラマシオン)を
積極的に取り入れた作曲家だと
言われているわ~
なんでもこの曲では
『男を惑わす美しさを持つ
女性の姿態と、
男を魅きつけて恋に陥とす
自己陶酔的な挑みかけを
表現している』
とも言われているの~~
(素敵ねっ!?)
藤井宏行氏によると…
「はんみょうでーす」という最初の一声がなんと
も間が抜けているように聴こえて笑ってしまわ
んでもないのですが、背景に流れる音楽はドビ
ュッシーも顔負けの美しいフランス印象派の音
楽。
その後の曲想変化といい美しい伴奏のメロディ
へのデクラメーション(語り)の織り込み方の
見事さといい、同じ年1928年に書かれた歌曲
「黴」と並んで日本歌曲の大革新を導いた傑作歌
曲ではないかと思います。
この翌年に書かれた「舞」のような邦楽の語り
物との融合のような大胆なインパクトはないで
すが、ドビュッシーやラヴェルの歌曲のスタイ
ルを見事に日本語に移し変えただけでも凄いと
私は思います。
フランス語で歌われたら多くの人がドビュッシ
ーの歌曲と信じてしまうのではないでしょうか。
とても美しくも魅力的な歌です。
深尾須磨子の象徴詩も言葉の散りばめ方が実に
美しく、この翅が美しく光り輝く甲虫が、南国
の真夏の山道を歩く詩人の足元をからかうかの
ように跳びはねる情景を奇妙に描き出していま
す。
「南の国の夏の日ざかり」を描写するにはこのド
ビュッシー風のけだるい音楽は絶妙にはまり、
そして時に歌い、時に語るその声は雄弁です。
最後に「うまくつかまえて襟飾りにでもしてく
ださい」とぼそっとつぶやいて終わるところは
また笑ってしまうところですがまた実に「巧い」
終わり方。」(後略)
あたしもこの斑猫をやっているけど
冒頭の「はんみょうで~す」ってのを
どのYOUTUBEでもすごく歌っているんだけど
AYAKO先生は
「もっとしゃべって!!」っておっしゃるの~~
「す」なんて
伸ばさないで切ってしまうみたいにって…。
だからどれを聴いても
なんだか雰囲気違うなって思ってしまって…
さすがAYAKO先生ねっ
なんてったって
四家先生直伝だからねっ!?
うふふ
ふふふふふ
お~っほっほっほ
あっ
■ ■ ■